意味調べを”授業”にする――文脈理解・説明力集団心理を活かす方法
「体育=苦手」は誰が作った?クロール25mの“評価”から考える、できたを育てる授業

体育が「嫌いな時間」になってしまう前に──子どもの気持ちに寄り添う評価の視点
「今の体育、運動が苦手な子は全員嫌いになりますよ!」
先日、テレビでヒャダインさんがそう語っていました。
たしかに、シャトルラン、クロール25m、持久走…。「数字」や「タイム」で測られる今の体育で、子どもが「自分には価値がない」と感じるのは自然なことかもしれません。
元教員として、そして2児の父として、このままでは「体育=苦手」という子が増え続けてしまうのでは?と危機感を覚えました。
本来、体育は「できる・できない」ではなく、「やってみたい」「ちょっとできた」「楽しかった」──そんな気持ちを育てるための教科だったはず。
この記事では、体育嫌いを防ぐために、現場での経験をふまえて「評価のあり方」や「声かけの工夫」をまとめました。教員・保護者、どちらの立場でもすぐに使える内容です。
📘 この記事でわかること
- 体育で苦手意識が育ってしまう理由
- 「評価」が子どもの挑戦意欲に与える影響
- 現場でできる、小さな声かけと工夫
1. 体育嫌いを生む“数値評価”の現実
「クロール25m泳げないとダメ」「シャトルランで〇回以上」──体育の授業で、こんな数値目標が当たり前になっていませんか?
でも、これって本当に子どもたちのためになっているのでしょうか。
ある研究では、運動嫌いの背景として、「運動能力に対する劣等感」「個人差を考慮しない体育授業」「体育教師への不満」「上手・下手による能力評価」などが挙げられています。
これらの評価方法が、子どもたちにとってプレッシャーとなり、体育への苦手意識や嫌悪感を生む原因となっていることが指摘されています。
また、体育の授業での「上達のための努力」を強いられることや、他者から見られることへの不安、能力に見合わない無理難題への挑戦などが、運動からのドロップアウト(離脱)を引き起こす要因として挙げられています。
2. なぜ評価が苦手意識を強めるのか?
体育の授業で、子どもたちが「苦手だな…」と感じるようになるのは、単に運動ができないからじゃない気がしています。
たとえば、がんばって泳いでも25mに届かなかった子に、「まだできないの?」「これくらいできなきゃダメだよ」と言われてしまったら…。それだけで、次から泳ぐこと自体が怖くなってしまいますよね。
評価って、本来は「その子がどんなふうに成長してるか」を見守るもの。
でも、記録や点数だけで判断されてしまうと、どうしても比べられた気持ちになってしまう。
子どもって、大人が思っている以上に、「自分はできてるかどうか」「ちゃんと認めてもらえてるか」を気にしています。
だからこそ、ただの数値じゃなくて、「よくチャレンジしてたね」とか「昨日よりも長く泳げたね」っていう、ちょっとした言葉がすごく大事なんだと思います。
3. “できた!”を育てるためにできる3つの工夫
体育を「できないから嫌い」じゃなく、「ちょっとできたから楽しい」に変えるためには、どんな工夫ができるんでしょうか。
ここでは、先生や保護者の立場からでもすぐに使える、小さなアイデアを3つ紹介します。
- ①「昨日の自分」と比べる
他人と比べず、少しずつ前進した自分を認める声かけで、やる気が育ちます。 - ② チャレンジカードを使ってみる
小さな成功体験を可視化して、自信につなげます。 - ③ 結果より「がんばったプロセス」に声をかける
挑戦したこと自体を認める姿勢が、次の一歩を後押しします。
4. 保護者・教員にできる関わり方
子どもが「体育は苦手だけど、嫌いじゃない」って思えるかどうか──それは、まわりの大人の関わり方で決まるといっても、言いすぎじゃないかもしれません。
- ■「できた?」じゃなく「どうだった?」
- ■ 苦手な気持ちを、否定しない
- ■ 教室の「安心感」が、挑戦を支える
保護者も、教員も、「完璧な声かけ」なんてできなくて当たり前。
でも、子どもの挑戦や気持ちを、まるごと受け止める姿勢があれば、体育は“嫌いな時間”じゃなく、“自分を試せる時間”になっていくはずです。
5. まとめ:評価の本当の意味って?
体育の授業で、数字やタイムだけが注目されると、子どもたちは「できる・できない」で自分の価値を決めてしまいがちです。
でも本当は、運動が苦手でもいいし、泳げなくてもいい。
「やってみた」っていう気持ちや、「昨日よりちょっと進んだ」っていう実感こそ、子どもたちが自分を好きになっていく大切なきっかけだと思うんです。
評価は、“できた・できない”を区別するためじゃなくて、“どこまでがんばってきたか”を見つけるためにある。
そんな視点で関わっていけたら、体育はもっと楽しくて、「自分を試せる」授業になっていくはずです。
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