守れないルールなら、ない方がいい──宿題と決めごとの話
家庭で宿題のルールを決めたのに、いつの間にか形だけになっている。
そんな経験は少なくありません。
毎日やるはずだった。
この時間に始めるはずだった。
でも、守れない日が続き、いつの間にか誰も気にしなくなる。
実はこの状態、
ルールが弱いのではなく、
「守らなくていい」という別のルールが上書きされている状態です。
駐輪禁止の看板が効かなくなる理由
駅前や商店街で、
「駐輪禁止」と書かれた看板があるのに、自転車が並んでいる光景を見たことはありませんか。
最初の一台が置かれた時点で、
その場所には別のメッセージが生まれます。
ここに置いても大丈夫。
誰も注意しない。
守らなくても問題は起きない。
こうして、本来のルールよりも
「守られていない現実」のほうが強くなります。
家庭の宿題ルールでも同じことが起きる
宿題のルールが守られない状態が続くと、
子どもは自然に学びます。
このルールは、守らなくていい。
今日はやらなくても何も起きない。
そのうち言われなくなる。
これは反抗でも怠けでもありません。
日常の観察から学んだ、ごく合理的な判断です。
守れないルールが一番よくない理由
守れないルールが存在し続けると、
次の二つが同時に起こります。
一つ目は、ルールそのものへの信頼が下がること。
決めごとは、状況次第で無効になるものだと学びます。
二つ目は、大人の言葉の重みが軽くなること。
言われても、本気ではないと感じるようになります。
結果として、
「守らないのが普通」という習慣が静かに定着していきます。
選択肢は二つしかない
この状態を防ぐ方法は、実はシンプルです。
一つは、ルールをなくすこと。
守れないなら、一度やめる。
中途半端に残さない。
もう一つは、守れるまで言い続けること。
毎回同じように声をかける。
例外を作らない。
どちらも覚悟が要ります。
しかし、中途半端が一番よくありません。
下げたルールは、守りやすい
多くの場合、有効なのはルールを下げることです。
毎日全部やる、ではなく、
一問だけ開く。
三分だけ机に向かう。
これなら守れる、という水準まで下げると、
「守れるルール」がようやく成立します。
守れるルールは、習慣になります。
守れないルールは、形骸化します。
言い続けるという努力
どうしても下げられないルールもあります。
その場合は、言い続けるしかありません。
今日はいいや、を作らない。
疲れているから黙る、を繰り返さない。
これは厳しさではなく、一貫性です。
一貫性があるからこそ、ルールは現実になります。
ルールは、行動で教えられる
ルールは、説明ではなく行動で伝わります。
守られているかどうか。
注意され続けているかどうか。
それを見て、子どもは判断します。
守れないルールなら、ない方がいい。
この言葉は、突き放しではなく、
習慣を守るための現実的な判断です。
この記事の前回にあたる内容はこちらです。
https://shirutera.com/blog/blogs/simple-rules-make-homework-habit/