いじめ対応で「記録を残す」とは何か|証拠・告発・話し合いの違い
はじめに|「記録を残してください」と言われるけれど
いじめ対応の場面では、
よく「記録を残してください」と言われます。
ただ、この言葉は少し曖昧です。
・証拠を集めることなのか
・告発の準備なのか
・話し合いのためなのか
意味が整理されていないまま使われることが多く、
その結果、記録を残すこと自体が負担になってしまうケースも少なくありません。
この記事では、
いじめ対応における「記録」の役割を、一般論として整理します。
よくある誤解|記録=戦う準備、ではない
記録という言葉が重く感じられる理由の一つは、
次のような誤解があるからです。
・記録を残す=誰かを追及する
・記録を残す=大事にする
・記録を残す=対立を激化させる
もちろん、状況によっては証拠として使われることもあります。
ただ、それは記録の一つの使い道にすぎません。
多くのケースで、
記録の主な役割はもっと地味なものです。
整理①|記録の三つの使い道
いじめ対応における記録の使い道は、大きく三つに分けられます。
1. 事実関係を確認するため
時間が経つと、人の記憶は必ず曖昧になります。
記録は「その時点で、何が起きていたか」を確認する材料になります。
2. 認識のズレを補正するため
当事者同士で、見ていた景色が違うことは珍しくありません。
記録があると、「誰が嘘をついているか」ではなく
「どこで認識が違っているか」を整理できます。
3. 話し合いの材料にするため
感情だけのやり取りでは、話し合いは進みにくくなります。
記録は、議論を少し外側に出す役割を持ちます。
整理②|誰が記録を残すのか
記録は、被害を受けた側だけが残すものだと思われがちです。
しかし実際には、
・被害を受けた側
・加害に関わった側
・周囲で見ていた第三者
それぞれが記録を残すことで、
話し合いの質は大きく変わります。
特に、
加害側の行動に至るまでの経緯が記録として残っていると、
被害者を責めることなく理由を説明しやすくなります。
これは、責任を軽くするためではありません。
同じことを繰り返さないための整理です。
注意点|記録は万能ではない
ここで一つ、重要な点も書いておきます。
・記録があれば必ず解決する
・記録があれば正しさが証明される
というわけではありません。
記録の効力や使われ方は、
状況や関係者、制度によって大きく異なります。
法的な扱いについては、正直なところケースバイケースで、わからない部分も多いです。
それでも、
記録が「何もない状態」より有効であることは確かです。
もう少し整理した記事について
この記事では、
記録の意味を一般論として整理しました。
実際のいじめ対応では、
立場ごとに悩みや判断の難しさが異なります。
・被害を受けた子ども
・保護者
・教員
・加害に関わった側
・周囲の第三者
それぞれが共倒れしないための考え方を、
別の記事でまとめています。
▶︎ 無料記事(入口)
※ ここに無料noteのURLを挿入してください
▶︎ 有料記事(完全版)
※ ここに有料noteのURLを挿入してください
おわりに
記録は、
誰かを追い詰めるための道具ではありません。
認識のズレを整理し、
話し合いを成立させるための材料です。
「残さなければいけない」と思うと負担になりますが、
「整理のため」と考えると、少しハードルは下がります。
困ったときに、
静かに役立つ道具として、
記録という考え方を知ってもらえたら十分です。
根拠・出典
・文部科学省
いじめの定義および対応に関する公式資料(一次情報)
・教育社会学・社会心理学の一般的知見
認識の齟齬が対立を生みやすいことに関する研究
・教育現場での実務的知見(一次情報)